サービス残業は当たり前

俺は住宅展示場に勤務する住宅営業マンだ。店のメンバーは俺を含めた営業マン5人と一般事務職の女性社員が1人。女性社員は夕方の定刻に帰宅するのだが、営業マンが21時より早く帰宅することはまずありえない。

そのなかでも店長は早く、おおよそ21時くらいには家に帰る。店長が帰宅するのを見てから店次長以下の営業マンがポツポツと帰宅し始める。通常、22時半くらいまでにはみんな帰宅する。

俺はそれを見届けてから帰宅するから、毎日帰宅は23時前後だ。朝8時45分に出勤して23時の帰宅なので、実に14時間15分ものあいだ、会社に拘束されているというわけだ。

 

外回りから事務所に帰ってくるのが20時30分くらいだから、そこから電話折衝をして日報を仕上げて明日訪問するための準備をしてゴソゴソしているとあっという間に23時くらいにはなるのだ。

住宅営業マンが夜遅くまで事務所に居ることは、残業でもなければサービスでもない。残業というのは会社に貢献するため仕事を残ってやることである。家を契約できない俺が夜遅くまで事務所に残ってやっていることは、会社の利益に結び付かない。

 

 

積水ハウスの元所長が俺の住宅営業としての理想像

どうしてそんなに自分を犠牲にできるのか不思議に思う人もいるかもしれない。実を言うと、俺の帰宅時間が23時になる本当の理由は別のところにある。それは他の営業全員が帰宅しないと帰れないからだ。

俺は9ヶ月連続坊主(契約無し)の住宅営業だ。入社6年目で累積契約棟数がたったの7棟だ。

毎月、月末には営業会議というものがあり、優秀な営業マンと優秀な店は表彰を受ける。個人では複数棟契約や1億円以上の契約をした奴が表彰をされるのだが、俺にとって問題なのは店単位の表彰だ。

店のメンバー全員が契約をすると『全員成約賞』として1人1万円の表彰金が出る。また、店のメンバーの人数と同じ数の契約をすると『1人1棟契約賞』として、やはり1人1万円の報奨金が出る。

全員成約かつ店の人数+1棟の契約をすると、さらに店に対して3万円の報奨金が出る。

そうなんだ。お察しの通り、俺が家を契約しないことでこれまで何度もこの『店単位の報奨金』を取り逃してきたのだ。俺は店のメンバーに対して常に十字架を背負っているのだ。罪人なのだ。

他のメンバーには頭が上がらない。そんなメンバーよりも先に帰宅するわけにはいかない。契約のある営業マンが夜遅くまで仕事をしているのに、契約の無い俺が先に帰れっこない。

契約の多い営業マンに比べて契約の無い私には、事務所に残ってやる業務は少ないはずである。しかし、だからといって先に帰るのはちょっと違う気がする。

どんなに仕事が無くても、どんなに早く帰りたくても、他の営業マンが帰るのを見届けてから展示場の戸締りをキッチリとして、セコムの警備のセッティングをして帰るのが私の役目だと思っている。

それが住宅営業の世界だと思う。でも、俺はこの分かりやすい世界がわりと好きだ。なぜなら、立場が逆になればこんないい世界はないと思うからだ。

先輩や店長より成績が良ければ、彼らより早く帰宅しても厭味を言われなくて済む。要領よく仕事をこなせば定時に帰宅しても構わない。そうすることで、「毎日定時に帰宅するのによくあんなに契約できるなぁ」とまわりの営業マンから不思議がられるわけである。

これは実を言うと、夢物語ではない。積水ハウスで営業所長まで務めた人が住宅営業ノウハウ本に書いていた。彼は店次長になってから店長として現役の営業マンを終えるまでの14年間を、毎日定時の17時半に帰宅していたのである。それでも展示場のなかで彼が一番売っていたから誰も文句を言わなかったらしい。

やればできるということだ。この積水ハウスの営業マンは、俺の理想とする住宅営業マン像だ。

 

自己紹介

はじめまして。

私は某住宅会社で営業マンをやっておりますアッキーと申します。

 

 

私のような者のブログを読んで頂きまして、ありがとうございます。

私は大学を出てすぐに住宅営業マンになりました。今年で13年目です。住宅営業マンになった理由は、就職情報誌に書いてあった賞与の額が高かったからです。

今でこそなんだかえらそうに営業ノウハウを語ったりしておりますが、7年目までは全然売れませんでした。年間1棟か2棟、よくて3棟でした。7年目には11ヵ月連続で契約がないという状態になりました。

私のせいで店のメンバーが営業報奨金をもらえないという月がよくありました。契約しないと店のメンバーから白い目で見られるというシステムを考えた人は悪魔だと思います。

このブログをはじめたのもその頃で、ひたすら仕事の愚痴を書き連ねてストレスを発散していました。

連続坊主が11カ月続いたその月に、私はこのサイトを通じてフッキーさんという方からメールをいただきました。フッキーさんは東北地方の方で、飲食チェーンの仕事を辞めて住宅営業に転職したという経歴の持ち主でした。

彼は住宅会社に転職した時に、店のメンバー全員から引き出しの中で腐らせていた土地なし客のアンケート名簿をもらったそうです。先輩たちは更地・建替客の名簿は渡さずに、土地なし客名簿だけをフッキーさんに渡したのです。彼は必然的に土地なし客に特化せざるをえなかったのですが、半年後には同期入社の営業なかで一番を取ってしまったそうなのです。

現在でも、彼が契約するお客さんの9割は土地なし客だそうです。そうなったきっかけは土地なし名簿ばかりをもらったことがきっかけではあることは間違いありません。

でも彼は「中途入社の営業は土地なし客に特化するべき」だと言います。その理由のひとつが「他の営業マンが避けるので社内競合が少ない」ということでした。中途入社の社員が社内競合なんかしたらひんしゅくをかいますからね。

でも最大の理由は「土地さえ決まったら家も契約してくれるから」だと言いました。

確かにそうです。土地さえ決まったら土地なし客は早いです。でもその土地がなかなか決まらないから苦労するんですよね。だからみんな土地なし客を避けるのです。

でも、フッキーさんは努力家でした。土地を売るための方法を猛勉強したそうです。そこで出会ったのが石川智忠という人です。

私はフッキーさんが使用したという石川智忠氏の動画マニュアルを購入して実践してみた結果、契約ができたのです。これには自分が一番驚きました。

7年目の8月に私は11ヵ月連続坊主を止める契約をしました。土地なしのお客さんを契約できたのですが、土地を案内した日の夜に「あの土地を契約したい」とお客さんのほうから電話がかかってきました。フリーの土地だったのですが、建物のほうも当社で契約してくれました。入社して初めて「自分の力で獲った」という実感のある契約でした。

これで私は土地なし客に味をしめ、翌月も土地なし客にターゲットを絞ったところ、運よく契約できました。それはまた他の分譲地の土地案内からの契約でした。店長から「やればできるじゃないか」と言われました。あんな言葉をかけてもらったのは中学生の頃以来だったかもしれません。

ここからが自分でも驚きなのですが、翌10月も1棟、11月はなんと2棟、12月も2棟、そして1月は1棟の契約。気が付けば半年間に8棟の契約をしていました。半年に一度契約するかしないかという成績だった私にとって、天文学的数字の契約棟数です。

それから6年経った現在、毎月2棟ペース、年間24棟ペースで契約ができるようになっています。(調子が悪いと年間20棟を切ることもあります)

これはリアルな話ですが、給与は100万円を超えます。出荷がまとまっている月は140万円を超えることもあります。

私が売れるようになれたのは、運がよかったからです。本気でそう思っています。才能はないです。

私はそもそも、あまり物事を要領よくこなすことができません。でも、土地なし客に特化してそこに全精力を注ぐ、という単純なやり方にはハマることができました。

「フッキーさんからメールがもらえたこと」「石川氏の営業手法にハマることができたこと」。この2つの運のために、私は売れるようになれました。

私はそれまでも数々の住宅営業ノウハウが書かれた本を購入して実践してきました。でも、絶対にまねできないようなことだったり、まねできたとしても家が売れるようになるものではありませんでした。田中敏則とか丸山景右といった名前を聞かれたことがありますでしょうか。彼らのような天才が書いたノウハウは、私にはダメでした。

しかし石川氏の営業手法は天才たちが語る営業手法とは全く違いました。こんな私でも実践でき、すぐに結果が伴いました。

そのマニュアルはそれなりに高額でしたが、今となってはその何十倍もの営業報酬を毎月得ているわけですから、安い買い物だったと言うべきかもしれません。かつては書店販売もされていたのですが、現在ではネット限定で販売されているだけのようです。一応リンクを こちら に貼っておきます。

私はこの営業手法を読者の皆様におすすめしているわけでは決してございません。この営業手法が「私には合っていた」ということです。家がなかなか売れない営業マンであっても、このようなきっかけにさえ出会えれば大きく変われる可能性がある、ということを知っていただきたいのです。

私は今、社内で「土地なし王」と呼ばれています。毎月複数棟を契約してくるけれど、契約するお客さんが全て土地なし客だからです。褒められているのかけなされているのか分かりません。

今も家が売れずに悩む住宅営業マンが、私のブログの中から覚醒のきっかけを得て頂けるとすれば、これほど幸せなことはありません。

今後もできる限り、皆様のためになるような優良な住宅営業ノウハウを公開していけるよう努力してまいりたいと思います。