田中敏則氏が営業に目覚めたとある事件

田中敏則氏は1948年(昭和23年)山口県生まれ。元積水ハウスの営業マンです。1か月に3棟の契約という驚異的なペースを継続し続け、累計契約棟数1000棟という金字塔を打ち建てた伝説の天才営業マンです。こんな人は天下の積水ハウスとはいえ二度と現れないでしょう。

積水ハウスでは山口綜建営業所営業所長まで務めた後に勇退し、現在は山口県山口市に『エリアリング』という住宅関係のトータルコンサル会社をつくり、代表をされています。住宅営業マンを対象とした講演会で全国を飛び回る傍ら、住宅営業ノウハウ本の執筆もされています。

積水ハウス田中敏則

 

彼が執筆した住宅営業ノウハウ本に『心の営業』(あさ出版)という一冊の本があります。彼の数ある書籍のなかで、もっとも彼の本音に迫ることができる一冊です。その中で田中敏則氏が営業に目覚めることになったある事件が紹介されています。

それは彼が大学生時代のことです。苦学生だった彼は新聞の勧誘アルバイトをしていました。口下手な彼はいくら訪問しても冷たく断られるばかりで来る日も来る日も契約が獲れませんでした。ある日学校帰りに着替える暇がなく学生服のままで飛び込み営業をしてみると、お客が同情してくれて契約が獲れたということです。

この事件によってのちの天才営業・田中敏則が生み出されたことは間違いありません。彼はこの事件のことを振り返り、『無我夢中になって一生懸命やっていると評価をしてくれる人が必ずいる』というような内容の総括をしています。確かにこの時はそうだったかもしれません。

しかし、彼はこれに味を占めたのです。そうです、味を占めたのです。『学生服を着て営業にいけば契約が獲れる』ということに気が付いたのです。実際に、彼はその後もわざと学生服を着て営業をし、多くの新規新聞契約を取り付けたということです。これはもう策略です。

『心の営業』の中ではお客さんの心に寄り添って真摯に向き合うことが重要だというようなことが紹介されていますが、それはすべて契約を獲るという住宅営業マンとしての目的を達成するための策略であり、『学生服を着ていく』という計算づくの行動と何ら変わらないわけです。

したがって田中敏則氏の営業方法は完全に振り切っています。その振り切り方には一点の迷いも無いのです。家を建ててくれたお客様には最大限の感謝の気持ちを行動で示し続けます。その行動が半端なく徹底しているものだから、田中氏から家を購入したお客は全員、彼のファンになってしまうのです。いや、心底『同情』するのです。

その結果、入社10年目からの引き合いは100%が紹介になったのとことです。紹介だけで食べていくという住宅営業の夢を果たしたわけです。それを実現できたのは『たまたま学生服を着て勧誘に行ったら新聞契約が獲れた』という学生時代の事件のおかげなのです。

 

ガイアの夜明けで特集された積水ハウスの田中敏則

田中敏則氏はテレビ東京の『ガイアの夜明け』で特集を組まれたことがあります。そこで見せた彼の住宅営業マンとしての姿は、売れない住宅営業マンの私に勇気を与えてくれるものでした。

ガイアの夜明けでよく分かったことが、優秀な営業マンらしからぬ田中敏則氏の『しゃべり方』です。とにかくボソボソと喋るのです。立て板に水ではなく、『洗濯板にマヨネーズ』のようです。これには私は衝撃を受けました。そんな感じで売れちゃうんだと。テレビからはノウハウ本を読むだけでは分からない田中敏則という人物像が分かりました。

クルマのトランクにはいつも長靴、スコップ、ホウキ、火箸といったものが積んであり、工事現場に立ち寄った際には前面道路のアスファルトに広がった泥を掃除するのです。既に建築済みのお客さんの家の前に雑草が生えていたら、抜いて帰ったりするのです。

ガイアの夜明けの田中敏則

(写真:お客さんの家の前の道路の雑草を掃除する田中敏則氏)

 

開いた口が塞がりませんでした。『そこまでやるかっ!』って感じでした。

 

真似ができない田中敏則の生き方

田中敏則氏の営業方法は、プライベートを犠牲にする覚悟を決めればダメ営業マンでも真似ができそうな気がします。わたしも自分の現場の簡易トイレを掃除したり、オーナーさんの家にクリスマスプレゼントを持って行ったりしたことがあります。しかしオーナー紹介は1件も出てきませんでした。

結局、田中敏則氏には人に好かれる喋り方や振る舞いが完全に身についており、その姿が決して厭味に見えないのだと思うのです。善意が厭味に見えないというのはひとつの才能です。だからこそ、お客さんの飼い犬にまでお辞儀をしても微笑ましく迎えられるのです。同じことを普通の人がやったら頭がおかしいと思われるか、なんだかわざとらしいなと言われるだけです。

野球少年が長嶋茂雄の野球理論を真似しても上手になれないのと同じで、売れない営業マンが田中氏の真似をしようとしても効果は期待できません。彼の下手なしゃべり方や営業マンらしくない姿を見ると、売れない営業マンは自信を持ちそうになります。しかし、絶対に真似できないのが田中敏則という営業マンなのです。

 

自己紹介

はじめまして。

私は某住宅会社で営業マンをやっておりますアッキーと申します。

 

 

私のような者のブログを読んで頂きまして、ありがとうございます。

私は大学を出てすぐに住宅営業マンになりました。今年で13年目です。住宅営業マンになった理由は、就職情報誌に書いてあった賞与の額が高かったからです。

今でこそなんだかえらそうに営業ノウハウを語ったりしておりますが、7年目までは全然売れませんでした。年間1棟か2棟、よくて3棟でした。7年目には11ヵ月連続で契約がないという状態になりました。

私のせいで店のメンバーが営業報奨金をもらえないという月がよくありました。契約しないと店のメンバーから白い目で見られるというシステムを考えた人は悪魔だと思います。

このブログをはじめたのもその頃で、ひたすら仕事の愚痴を書き連ねてストレスを発散していました。

連続坊主が11カ月続いたその月に、私はこのサイトを通じてフッキーさんという方からメールをいただきました。フッキーさんは東北地方の方で、飲食チェーンの仕事を辞めて住宅営業に転職したという経歴の持ち主でした。

彼は住宅会社に転職した時に、店のメンバー全員から引き出しの中で腐らせていた土地なし客のアンケート名簿をもらったそうです。先輩たちは更地・建替客の名簿は渡さずに、土地なし客名簿だけをフッキーさんに渡したのです。彼は必然的に土地なし客に特化せざるをえなかったのですが、半年後には同期入社の営業なかで一番を取ってしまったそうなのです。

現在でも、彼が契約するお客さんの9割は土地なし客だそうです。そうなったきっかけは土地なし名簿ばかりをもらったことがきっかけではあることは間違いありません。

でも彼は「中途入社の営業は土地なし客に特化するべき」だと言います。その理由のひとつが「他の営業マンが避けるので社内競合が少ない」ということでした。中途入社の社員が社内競合なんかしたらひんしゅくをかいますからね。

でも最大の理由は「土地さえ決まったら家も契約してくれるから」だと言いました。

確かにそうです。土地さえ決まったら土地なし客は早いです。でもその土地がなかなか決まらないから苦労するんですよね。だからみんな土地なし客を避けるのです。

でも、フッキーさんは努力家でした。土地を売るための方法を猛勉強したそうです。そこで出会ったのが石川智忠という人です。

私はフッキーさんが使用したという石川智忠氏の動画マニュアルを購入して実践してみた結果、契約ができたのです。これには自分が一番驚きました。

7年目の8月に私は11ヵ月連続坊主を止める契約をしました。土地なしのお客さんを契約できたのですが、土地を案内した日の夜に「あの土地を契約したい」とお客さんのほうから電話がかかってきました。フリーの土地だったのですが、建物のほうも当社で契約してくれました。入社して初めて「自分の力で獲った」という実感のある契約でした。

これで私は土地なし客に味をしめ、翌月も土地なし客にターゲットを絞ったところ、運よく契約できました。それはまた他の分譲地の土地案内からの契約でした。店長から「やればできるじゃないか」と言われました。あんな言葉をかけてもらったのは中学生の頃以来だったかもしれません。

ここからが自分でも驚きなのですが、翌10月も1棟、11月はなんと2棟、12月も2棟、そして1月は1棟の契約。気が付けば半年間に8棟の契約をしていました。半年に一度契約するかしないかという成績だった私にとって、天文学的数字の契約棟数です。

それから6年経った現在、毎月2棟ペース、年間24棟ペースで契約ができるようになっています。(調子が悪いと年間20棟を切ることもあります)

これはリアルな話ですが、給与は100万円を超えます。出荷がまとまっている月は140万円を超えることもあります。

私が売れるようになれたのは、運がよかったからです。本気でそう思っています。才能はないです。

私はそもそも、あまり物事を要領よくこなすことができません。でも、土地なし客に特化してそこに全精力を注ぐ、という単純なやり方にはハマることができました。

「フッキーさんからメールがもらえたこと」「石川氏の営業手法にハマることができたこと」。この2つの運のために、私は売れるようになれました。

私はそれまでも数々の住宅営業ノウハウが書かれた本を購入して実践してきました。でも、絶対にまねできないようなことだったり、まねできたとしても家が売れるようになるものではありませんでした。田中敏則とか丸山景右といった名前を聞かれたことがありますでしょうか。彼らのような天才が書いたノウハウは、私にはダメでした。

しかし石川氏の営業手法は天才たちが語る営業手法とは全く違いました。こんな私でも実践でき、すぐに結果が伴いました。

そのマニュアルはそれなりに高額でしたが、今となってはその何十倍もの営業報酬を毎月得ているわけですから、安い買い物だったと言うべきかもしれません。かつては書店販売もされていたのですが、現在ではネット限定で販売されているだけのようです。一応リンクを こちら に貼っておきます。

私はこの営業手法を読者の皆様におすすめしているわけでは決してございません。この営業手法が「私には合っていた」ということです。家がなかなか売れない営業マンであっても、このようなきっかけにさえ出会えれば大きく変われる可能性がある、ということを知っていただきたいのです。

私は今、社内で「土地なし王」と呼ばれています。毎月複数棟を契約してくるけれど、契約するお客さんが全て土地なし客だからです。褒められているのかけなされているのか分かりません。

今も家が売れずに悩む住宅営業マンが、私のブログの中から覚醒のきっかけを得て頂けるとすれば、これほど幸せなことはありません。

今後もできる限り、皆様のためになるような優良な住宅営業ノウハウを公開していけるよう努力してまいりたいと思います。