住宅営業マンになって初めて取って来る契約のことを「初棟契約」などと言います。「初棟」などという言葉は一般人にとっては何のことか分からない業界用語です。

住宅営業の新入社員たちの最大の関心事は、「同期の中で誰が最初に契約するのか」ということです。皆、心の中で「最初に契約するのは自分だ」と密かに闘志を燃やすのです。

4月に入社すると、最初は研修や先輩の営業随行などであっさりと過ぎ去っていきますが、7月頃になると「もしかしたら同期の誰かがそろそろ契約するのではないか」とソワソワしてきます。

そしてついにある日突然「新人の△△が初棟契約をしたぞ!」という情報が飛び込んできます。

「ついこの間まで一緒に新人研修を受けていたアイツが、家を契約した。会社に利益をもたらした。それにひきかえ俺は1円も会社に貢献できずに、ただ基本給をもらっている。」

悔しくて、情けなくて、うらやましくて・・・。いろんな負の感情が襲ってきます。それまでは「ワクワク」「ドキドキ」というものであった初棟契約への思いは、この日から「焦り」へと変わるのです。

「もし、自分が初棟を挙げないうちに、またあいつが2棟目を契約したらどうしよう。」そんな不安が頭をよぎります。実際にそれが現実となることもあります。

何年も住宅営業マンをやっている者から見ると「そんなに焦らなくてもいつかは契約できるよ」と思うわけですが、新人たちにとって、「ゼロ」と「イチ」の差は大きいのです。「3カ月目に初棟を挙げられた営業マンは優秀で、半年たっても契約を挙げられない新人営業マンは落ちこぼれだ」と信じてやまないのです。

私自身もそう思っていました。自分が2棟目を契約をした時点でまだ初棟契約もあげていなかった同期の営業マンを見下していました。

ところがその同期は2年目には私の累積棟数を抜き、3年目には半年に4棟の家を契約する営業へと成長していました。一方で3年目の私は半年に1棟契約できるかどうかの落ちこぼれ営業になっていました。

今になって思うのは、新入社員が初棟契約をあげられる時期は配属されたチームの環境や店長の方針に大きく作用され、本人の実力とはあまり関係ないということです。

人気の総合住宅展示場のなかにあるチームに配属されると、「今月中には家を契約したいのですが」というお客さんに運よく当たることもあります。しかし展示場もない事務所のチームであればそのようなことはあり得ません。

新人にはどんな手段を使ってでも初棟契約をあげさせたほうがよいと考える店長がいます。契約をしなければ、仕様打合せ、ローンの申し込み、抵当権の設定という流れを把握できません。とにかく全体の仕事の流れを知ることが重要だと考えるわけです。

それとは逆に、新人が自分の力だけで契約をするまで放っておくという店長もいます。契約をとってくることこそが住宅営業マンとしてもっとも大事な仕事であり、契約後の仕事は別に難しいことではないし、いつでも覚えられるという考えです。

新人が初棟契約の時期を気にする気持ちはよく分かります。あわよくば新人賞もとりたいと思う気持ちも分かります。野望を持つことは大事です。しかし早々に初棟契約をあげてしまうと、自分に実力があるのだと勘違いしてしまう危険があります。もしも契約ができたとしても、環境や運、先輩たちのおかげであるということに深く感謝をすべきです。新人賞をとることよりもずっと大事なことです。

新入社員で過ごす1年間というのは、数字に関して会社から期待されていない有難い1年間です。極論を言えば、モラトリアム(猶予期間)だとも言えます。

初棟契約がいつになるのかということや1年目で何棟契約できるのかということよりも、新人の時にしか教わることができないことを先輩たちに質問をし、住宅営業マンとしてのしっかりとした基礎を作ることに重点を置いたほうが将来の自分にとっては絶対にためになります。新入社員の1年は貴重な期間です。大切に過ごしてください。

 

自己紹介

はじめまして。

私は某住宅会社で営業マンをやっておりますアッキーと申します。

 

 

私のような者のブログを読んで頂きまして、ありがとうございます。

私は大学を出てすぐに住宅営業マンになりました。今年で13年目です。住宅営業マンになった理由は、就職情報誌に書いてあった賞与の額が高かったからです。

今でこそなんだかえらそうに営業ノウハウを語ったりしておりますが、7年目までは全然売れませんでした。年間1棟か2棟、よくて3棟でした。7年目には11ヵ月連続で契約がないという状態になりました。

私のせいで店のメンバーが営業報奨金をもらえないという月がよくありました。契約しないと店のメンバーから白い目で見られるというシステムを考えた人は悪魔だと思います。

このブログをはじめたのもその頃で、ひたすら仕事の愚痴を書き連ねてストレスを発散していました。

連続坊主が11カ月続いたその月に、私はこのサイトを通じてフッキーさんという方からメールをいただきました。フッキーさんは東北地方の方で、飲食チェーンの仕事を辞めて住宅営業に転職したという経歴の持ち主でした。

彼は住宅会社に転職した時に、店のメンバー全員から引き出しの中で腐らせていた土地なし客のアンケート名簿をもらったそうです。先輩たちは更地・建替客の名簿は渡さずに、土地なし客名簿だけをフッキーさんに渡したのです。彼は必然的に土地なし客に特化せざるをえなかったのですが、半年後には同期入社の営業なかで一番を取ってしまったそうなのです。

現在でも、彼が契約するお客さんの9割は土地なし客だそうです。そうなったきっかけは土地なし名簿ばかりをもらったことがきっかけではあることは間違いありません。

でも彼は「中途入社の営業は土地なし客に特化するべき」だと言います。その理由のひとつが「他の営業マンが避けるので社内競合が少ない」ということでした。中途入社の社員が社内競合なんかしたらひんしゅくをかいますからね。

でも最大の理由は「土地さえ決まったら家も契約してくれるから」だと言いました。

確かにそうです。土地さえ決まったら土地なし客は早いです。でもその土地がなかなか決まらないから苦労するんですよね。だからみんな土地なし客を避けるのです。

でも、フッキーさんは努力家でした。土地を売るための方法を猛勉強したそうです。そこで出会ったのが石川智忠という人です。

私はフッキーさんが使用したという石川智忠氏の動画マニュアルを購入して実践してみた結果、契約ができたのです。これには自分が一番驚きました。

7年目の8月に私は11ヵ月連続坊主を止める契約をしました。土地なしのお客さんを契約できたのですが、土地を案内した日の夜に「あの土地を契約したい」とお客さんのほうから電話がかかってきました。フリーの土地だったのですが、建物のほうも当社で契約してくれました。入社して初めて「自分の力で獲った」という実感のある契約でした。

これで私は土地なし客に味をしめ、翌月も土地なし客にターゲットを絞ったところ、運よく契約できました。それはまた他の分譲地の土地案内からの契約でした。店長から「やればできるじゃないか」と言われました。あんな言葉をかけてもらったのは中学生の頃以来だったかもしれません。

ここからが自分でも驚きなのですが、翌10月も1棟、11月はなんと2棟、12月も2棟、そして1月は1棟の契約。気が付けば半年間に8棟の契約をしていました。半年に一度契約するかしないかという成績だった私にとって、天文学的数字の契約棟数です。

それから6年経った現在、毎月2棟ペース、年間24棟ペースで契約ができるようになっています。(調子が悪いと年間20棟を切ることもあります)

これはリアルな話ですが、給与は100万円を超えます。出荷がまとまっている月は140万円を超えることもあります。

私が売れるようになれたのは、運がよかったからです。本気でそう思っています。才能はないです。

私はそもそも、あまり物事を要領よくこなすことができません。でも、土地なし客に特化してそこに全精力を注ぐ、という単純なやり方にはハマることができました。

「フッキーさんからメールがもらえたこと」「石川氏の営業手法にハマることができたこと」。この2つの運のために、私は売れるようになれました。

私はそれまでも数々の住宅営業ノウハウが書かれた本を購入して実践してきました。でも、絶対にまねできないようなことだったり、まねできたとしても家が売れるようになるものではありませんでした。田中敏則とか丸山景右といった名前を聞かれたことがありますでしょうか。彼らのような天才が書いたノウハウは、私にはダメでした。

しかし石川氏の営業手法は天才たちが語る営業手法とは全く違いました。こんな私でも実践でき、すぐに結果が伴いました。

そのマニュアルはそれなりに高額でしたが、今となってはその何十倍もの営業報酬を毎月得ているわけですから、安い買い物だったと言うべきかもしれません。かつては書店販売もされていたのですが、現在ではネット限定で販売されているだけのようです。一応リンクを こちら に貼っておきます。

私はこの営業手法を読者の皆様におすすめしているわけでは決してございません。この営業手法が「私には合っていた」ということです。家がなかなか売れない営業マンであっても、このようなきっかけにさえ出会えれば大きく変われる可能性がある、ということを知っていただきたいのです。

私は今、社内で「土地なし王」と呼ばれています。毎月複数棟を契約してくるけれど、契約するお客さんが全て土地なし客だからです。褒められているのかけなされているのか分かりません。

今も家が売れずに悩む住宅営業マンが、私のブログの中から覚醒のきっかけを得て頂けるとすれば、これほど幸せなことはありません。

今後もできる限り、皆様のためになるような優良な住宅営業ノウハウを公開していけるよう努力してまいりたいと思います。